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ニームのお話

 紅梅の赤さだけがもう春。
 梅、菜の花、スミレ、連翹、チューリップ、雪柳、花蘇芳、そして最後に桜が加わる爛漫の春を、私は今も恋しく思い出します。遠足のバス華やいだ気分と共に。

 インド人は、日本には香りのある花が少ないと嘆きます。故郷の草木を持ち込んでも、気候の違いなのか土が違うのか、枯れたり育ちが悪かったり。その人の部屋の中は、鉢植えがいっぱいでした。その中に、一鉢のニームの木。


     ニーム画像1wikipedia

 ニームと聞いて、初めてインドの空港に降り立って、暑さにふらふらになっていた日のことを思い出しました。2月のシヴァラトリのお祭の頃です。日本は未だ冬。リキシャのドライバーに一枚の葉っぱを渡され、噛むように言われました。
 どうみても、その辺の道端からたった今ちぎって来た葉っぱに見えるんだけれど。見知らぬ国で、知らない人に雑草を口に押し込まれそうになるのって怖くないですか。
 ドライバーが自ら葉っぱを噛んでみせたので、私も思い切って食べてみました。それは苦いけれど爽やかな香りで、たしかに気分がすっきり。ミントではなくニームだといわれました。

 ニームは特にインドで、万能の民間療法のハーヴとしてよく知られています。昭和の時代の仁丹やドクダミのような感じでしょうか。虫除けの効果があって乾燥にも強いということで、街路樹や庭木としてよく植えられています。歯磨き替わりによく噛んでいるし、お茶、石鹸、シャンプーと、古くからさまざまに用いられて来たようです。何でもスパイスとハーヴの香り付きで日本人にはちょっと鬱陶しいけれど、インド人には空気のようなものなのでしょう。
 香り高い葉は、コーマのお焚き上げ(護摩供養)にも用いられ、神に捧げられます。

 別のインド人が、日本にもニームがあると言い出しました。森の中で見つけて持ち帰り、育てているそうです。ニームの花は黄色だけど、この木の花は紫で、5月に咲くのだと。違うけれど、花の形も葉の形も同じで、同じ苦味がするから、近縁種だろうと。
 日本にニームなんてあったっけ? 薬効があるなら漢方で有名なはずだけど。
 日本人で、その木のことを知っている人は居ませんでした。あまりポピュラーでないようです。

 ニームについて調べてみたら、分かりました。ニームの和名はインドセンダン。栴檀の木なら、日本の山野に自生しているのも納得です。確かにニームと同じセンダン科の植物で、4~6月に紫の花を付けるとされています。ヒマラヤから東アジアまで、鳥に運ばれて、それぞれの土地に合った近縁種になっていったのでしょう。仏教のように、シルクロードを長い旅をして海を越えて。日本の栴檀はインド産よりも薬効は低めだけれど、同じように虫除けなどの効果があるそうです。


センダン画像1

 ちなみに「栴檀は双葉より芳し」ということわざは、栴檀ではなく白檀(サンダルウッド)のこと。中国経由で言葉が取り違えられたようです。インドにはサンダルウッドの石鹸やシャンプーもたくさんあったけれど。

 今年のシヴァラトリは2月17日。アルナーチャラのラマナ・アシラムでは、一晩中讃歌と祈りが続いたことでしょう。祭壇には、ニームも沢山焚きあげられて、香りに満たされて。

 私の恋する爛漫の春も、もうじきです。


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プロフィール

Who‐kuちゃん

Author:Who‐kuちゃん
20世紀インドの大聖者ラマナ・マハルシ、聖地アルナーチャラとの深い縁を支えに、宗教も哲学も超えて行きます。真の自分をみつけるお手伝いが出来たらいいなあ。
私はわたし。
いつだって幸せ。

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