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彼岸―小犬のストーリー

 お彼岸で中秋の名月。こんな夜は、物語して過ごしましょう。

2010彼岸その2

 昔、ふわふわふかふかの毛をした子犬が居ました。彼の夢は、人間になること。
 小さい頃に兄弟と一緒に川に捨てられました。拾ってくれたのが今の家族です。彼は自分の家族が大好きでした。中でもお母さんの膝の上がとっても大好き。
 それから、小さくてかわいい小鳥や子猫、中でも人間の子供が大好き。海沿いの公園で、鬼ごっこしながらいつまでも遊んでいるのも好き。帰り道を忘れたこともありました。
 彼にはひとつ、悲しいことがありました。自分が本当の家族でないことです。食事もおしゃべりも、家族は家の中、彼だけは窓の外の小屋。だからいつも、窓の中を覗きこんで溜息をついていました。
 僕は犬。どうすれば人間になって、本当の家族になれるのかしら?

 お母さんは毎日、ご飯の準備。あったかい食卓を娘たちと囲んで、お父さんの帰りを待っています。毎日、毎日。いただきますって言ってみんなでご飯を食べています。毎日、毎日。

 何故だろう? サルもイルカも犬も、強いものから順番に食べます。強いものが確実に生き残るために。食べられる弱いものが居なければ、食物連鎖は成り立ちません。それが自然の摂理。つまり神様の決めた正義です。犬のお母さんは、強い子から順番にお乳をあげます。
 でも、人間のお母さんは、分けて同時にご飯をあげようとします。「いただきます!」

 何故だろう? 彼は考えました。毎日、毎日。
 そして突然気付きます。みんな平等なんだって。みんな一緒に生きる価値があるって。

 食事を平等に分けて同時に食べるのは、人間だけ。それは、強いものも弱いものも皆みんな価値があって、みんな一緒に生きていこうという新しい正義だったのです。

 生きとし生けるものすべてに平等に注がれる、そんな愛があること。

 それを理解したとき、彼の魂は人間に進化しました。彼は、ふわふわの体を抱きしめると、抱きしめた以上の優しさが伝わってくる、そんな小犬になっていました。

 彼の肉体が還ってから何年かして、その家の娘の一人に男の子が生まれました。
 家の中、膝の上は自分の場所だと決め込んでいる優しくて甘ったれの子でした。
 おいしいご飯をたくさん作ってくれるお母さん(お祖母さん)が大好き。小さい生き物、特に赤ちゃんが大好き。公園で繋いだ手をほどくと、鬼ごっこしたままなかなか帰ってこないこともあったけど。

 家族はちょっと心配しました。この子は純粋過ぎる。あどけなさ過ぎる。人間らしい毒が全く無い。ちゃんと社会人として生きていけるのかしら。でも、傍にいると、それだけで優しさが伝わってくる…。

 娘たちは気付きました。この気配、知っている。「あの子」だ。昔、冷たくなった体を抱きしめたとき、この子はきっと人間になるって分かったもの。だから泣かなかった。
 ちゃんと迷わないで帰って来たんだね。人間に成れたね。

 幼くてぶきっちょだった彼は、両親から受け継いだ頭脳を使うことに少しずつ慣れてきました。勉強が大好きになりました。今は大学院で物理学を研究中。最大の難問は、就職先がみつかれないことです。口下手だし、話すとまだ子供っぽさが透けて見えるのがマズイのかも。

 アルナーチャラのラマナのもとでは、犬も牛もカラスも「悟り」を開いたとされています。
「あの子」は純粋さと優しさで、途方もない夢をかなえたんだもの。きっと道はみつかるよね。

 すべての夢はきっとかなう。別れた人と巡り合える。
 だから、泣かなくていいよ。
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テーマ : 心、意識、魂、生命、人間の可能性
ジャンル : 心と身体

プロフィール

Who‐kuちゃん

Author:Who‐kuちゃん
20世紀インドの大聖者ラマナ・マハルシ、聖地アルナーチャラとの深い縁を支えに、宗教も哲学も超えて行きます。真の自分をみつけるお手伝いが出来たらいいなあ。
私はわたし。
いつだって幸せ。

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